本日の授業について
さて、夏休みも中盤に突入しましたね。私の学校は来週から私が担当している課外活動があるので、お休みは終わりで学校が少しずつ始まっていきます。みなさんの学校はいかがでしょうか?
夏休みも終わりに近づいて来てたため、2学期の授業の準備も徐々に始めようと思っています。ということで、今回の授業は、2学期はじめに実施するであろう、「ながさくらべ」についての授業です。3年前に1年生を担当したときに実施した授業でもあります。今年の子はどのような反応をするのか、今から楽しみです。
本日の授業 1年生算数 「ながさくらべ」
授業のポイント
- どのようにすれば長さを比べられるか考える
- 自分の目でみた感覚と、実際の長さの違いを感じることができる
- 予想を立てて、予想と結果を比べて考えてみる
今回の課題は、実際に手を動かして、長さの感覚などを身に着けさせることを目的としています。
導入
はじめにこのパワーポイントを見せて、発問をしました。
なお、今回の授業で使ったパワーポイントはこちらからダウンロードできます。
みんな、この中で一番長い線は、紫、赤、青のうちのどれだと思う?
僕は青だと思います!
いや紫だよ!
赤ではないと思うんだけどなぁ・・・
それじゃあその予想はノートに書いておこう!
微妙な差にしつつ、目の色も膨張色を使うなどして、なるべくわかりにくくした結果、うまく予想はバラけてくれました。一番人気は青でした。ちなみに、一番不人気なのは赤でした。
それじゃあ、これと同じものが書かれているものをプリントで配るから、どれが一番長いか考えてみよう!どうすれば一番長いものがわかるか、まずは自分で考えてごらん!
今回の授業で一番大切にしたかった流れは
予想を立てる→どのようにしたらどれが一番長いか調べ方を個々に考える→そのやり方を班で共有する
ということです。そのため、まずは個人解決の時間を設けました。すると、いろいろな意見がでてきました。
みんな自分なりに長さ比べをすることができたかな?
バッチリです!できました!
よし、それじゃあ次に、班を作って、班の中でどんな調べ方をしたのか、自分のやり方をお互いに教えあってみよう!
班でお互いの測り方を伝えあったあとは全体でそのやり方を共有していきました。
展開
それじゃあ、どんなふうに考えていったか教えてくれる人!
はい!僕は、鉛筆を使いました!鉛筆を使ってそれぞれの長さが鉛筆のどこまでだったのか、しるしをつけて、みました!
初めの子は、鉛筆を共通の基準として、それを使って他と比べる活動をしたようです。間接比較を行っているわけですね。
僕は、定規を使って測ってみました!一番長いのは赤でした!
まだ、定規の使い方は授業で行っていないのですが、定規の使い方を知っている子は定規を使って測っている子もいました。この子は、先にどんどんやっていきたいタイプだったので、答えである一番長い色まで答えてしまいましたが、本当だったらそれはこのタイミングでは答えてほしくはなかったところです。これも間接比較ですね。
僕は、はさみで全部を切ってみました。端を揃えて比べてみました!
直接比較をするためには、動かせないものは実際に切るしかありません。直接比較の例としてよいやり方をしてくれました。
みんないろいろなやり方をやってくれたね。それで一番長かったのはどれだったかな?
赤が一番長かったです!
うん、そうだね!予想があたった人もいたけれど、外れてしまった人もいるね。どうして一番長いものの予想が外れてしまった人もいるのかな?
それは、この絵のままだと比べられないからです!
そのとおり!だから、比べるための工夫をみんなしたんだよね。ものを比べる上で、大切なことって、みんなの意見を聞いて何だかわかったかな?
端を揃えたり、同じものを使って比べないと比べられないということですよね。
そのとおり、というわけで、新しい線にも登場してもらおう!スイッチオン!
といって、少しテンション高めにパワーポイントを次に進めました(笑)
黒い基準となる線を出し、それ以外の線を移動させて並べて比べました。
みんなもう大丈夫だね。今回のこの線を比べるためには、きちんと端を揃えて並べてみたり、他の長さを測れるものを使って比べてみたりするとできたんだよね。いろんな方法が見つかってよかったね。
とここで、今回の授業の目的はほとんど達しました。
余談
余談ではありますが、こんな話をしました。
有名な絵だから見たことある人もいるかもしれないけど、これ、どちらが長く見える?
下のほうが長く見えます!
そうだよね、でもね、測ってみるとわかるんだけど、これは両方とも同じ長さなんだ!
嘘!?あれ、本当だ・・・同じ長さだ・・・
これはね、人間の目が「錯覚」という現象を起こしているんだ。人間の目はとても高性能だから、見たものを見たままだけでなくて、脳で変換して「こう見せる」というものが働くことがあるんだ。だから、同じ長さでも違う長さに見えてしまうんだ。だからこそ、自分の想像で「こうだろう」とか「こうに違いない!」と考えるのは実はとても危なくて、きちんと自分で調べることが大切なんだよ。
今回の線も、赤が一番長いと思った人は少なかったわけだからね。
という、物事の見方(常識を疑ってみる)ということも一緒に話してみました。
終わりに
今回の授業の主題は私の中だと2つあります。1つ目は「長さを比べるためにはどうすればいい」という方法論、そして2つ目は「物事を予想だけで考えてしまうと、思わぬ落とし穴にハマってしまう。そのため、疑問に思ったことはまず自分自身で実験などして調べてみる」という基本的な考え方です。
私は算数の授業で身につけるべきことはこういった予測を立てて試行錯誤する考え方だと思っています。今回の授業でそれが少し子どもたちに伝わってくれたらな・・・と思います。
それでは 本日の記事はここまでです。
関連記事などもありますので見てもらえると大変嬉しいです。それではここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。
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