本日の授業について
今日の授業実践は、今年の5月ごろに授業で実施した「なんばんめ」についての授業です。今回の授業は、子どもの発言からかなりいい方向に展開していった授業になりました。子どもの発言をうまく拾って指導ができたのではないかなと思っています。
今回の一つのポイントは「基準」という言葉ではないかと思います。
本日の授業 1年生 算数「なんばんめ」
授業のポイント
- ◯◯から◯ばんめと言われたときに、どこを指しているかわかる
- ◯◯の場所はと聞かれたときに「◯◯から◯ばんめ」と伝えることができる
- 場所を表すには「◯◯から」といった基準の言葉が必要ということがわかる
導入
はじめに、教科書のこの絵を見せました。
そして早速発問をしました。
この絵を見てください。うさぎはどこにいるかな?
ここでは「何番目」という言葉を使わず、「どこにいるかな?」という発問をしました。
「どこにいるかな?」という発問だと、「あのあたり」とか「そこです!」という抽象的な基準のない自分視点の答えがもしかしたら出てくるかもしれないと思ったからです。それが出てくれば「基準が必要」という考えに簡単に行くことができるかなと思ったからです。
残念ながら、子どもたちはそういう話にはならず(笑)、すぐにこう答えました。
左から3番目にいます!
それじゃあみんなで確認してみよう、左からというとこっちからだね、みんなで数えてみよう。1、2、3・・・うさぎのところになったかな?
なりました!
それじゃあ「左から3番目」という言い方はよい言い方だね。じゃあ、他にもうさぎの場所を伝える言葉はあるかな?
右から4番目です。
本当に?それじゃあそれも確認してみようか。みんなで数えてみよう。1,2,・・・うさぎのところに来たね。それじゃあこれも正しい言い方になるね。
ここまででもう何番目という表し方ができるという一番の目的はほぼ達成することができましたが、続けてこう聞きました。
他にも言い表し方がないかな?
するとこんな答えが返ってきました。
いぬから一番目です。
これに対しては、他の子ども達からの意見がいろいろありました。ここから先が展開になっていきます。
展開
板書記録
それだとどこだかわからないかも
いや、わかるよ、うさぎのところになるはずだよ
と様々な意見がでてきたので、こちらで一度方向を定めました。
あれ?みんな、さっきまでの「ひだりから3番目」という言い方と「みぎから4番目」という言い方はみんなそろってうさぎの場所になるといっていたよね。
それじゃあ、「いぬから1番目」という意見だと、どこを指すと思うのか教えてよ。
僕は犬を指すと思います。犬から一番目だと、はじめに犬を数えてそこが一番目だからです。
僕はリスだと思います。リスは犬から左に一番目だからです。
僕はうさぎだと思います。今でた意見の反対で、右側にいくと一番目にうさぎがいるからです。
「犬から右へ」と「犬から左へ」というこの謎を解くための良い意見がでてきました。そのため、次にこんな質問をしました。
みんないい考えをしているね。でも、どうして①と②の意見は全員がうさぎの場所を示していたのに、「いぬから一番目」だとどうしてこんなにたくさんの意見が出てきたんだろう。
これは、①と②の意見と、「いぬから一番目」という意見の違いに注目してみるとわかるかもしれないよ。
しばらく考えた後、ほとんどの子が気づくことができました。
あ!①と②には、「左から」と「右から」という言葉があるけれど、「いぬから一番目」という意見にはそれがないよ!
良いところに目をつけたね!違いに注目することで良い発見ができたね。そのとおり、「いぬから~」の意見には、右に行くのか、左に行くのか、その基準となる言葉がなかったんだよね。
だから、基準を表す「右に」とか「左に」という言葉があればどこを表すのか一つだけ表すことができるね!
こうして、「基準を決める」という大切さを子どもたちに伝えることができたところで、授業は終わりました。
終わりに
今回は、算数の考え方で度々出てくるであろう 「基準を決める」という大切さ について伝えていきました。長さを正確に測るにしても、何かを計量するにしても、すべて国際的な基準などがあり、それを元に計算することができるということが少し根付いてもらえたら・・・と思いました。
それでは 本日の記事はここまでです。
関連記事などもありますので見てもらえると大変嬉しいです。それではここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。
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