GIGAスクール構想が謳われる今、学校で導入すべきタブレット学習機はどれ?
GIGAスクール構想が文部科学省から打ち出され、それに合わせてタブレット学習機を用意しようという学校が多いと思います。私の学校でも今大急ぎでその動きを始めています。
ただ、あまり知識がないとどのタブレットを導入すればいいか、そしてどのように運用をしていけばいいのか、不透明な学校が多いのではないかと思います。
私は、以前からこういったガジェットなどに興味があり、授業の中でも様々な端末を活用してきました。
そのうえで、自分が導入したいと強く感じたセットを紹介します。
比較対象タブレット学習機
今回は、私自身も使用をしたことがある
iPad(iOS機) Windows機 Chrome book(Android)機
の3つを比較していきたいと思います。
iOS機は実質iPadしかないので、iPadと記載させていただいています。
比較タブレット機種① iPad(iOS機)
まずは、おそらく学校で導入されているタブレットとしては、一番数が多いであろうiPadからメリット、デメリットを上げていきます。
メリット
- 使用事例が多く、色々な先行事例を参考にできる
- OS供給元とハード製造元が同じなので、安定した動作が期待できる
- 教育向けアプリが多い
- Apple pencilが使える←私が考える最大のメリット!!
一つずつ解説していきます。
使用事例が多く、色々な先行事例を参考にできる
もうそのままです。おそらくGoogleで「iPad 学校 導入例」とか「iPad 学校 実践」などと検索をすると、それはそれはたくさんの導入例などを確認することができます。
タブレットの導入にはやはり莫大な費用がかかるため、失敗は許されません。
そのために、すでに導入されている学校の事例を聞くことなどもでき、実際に自分の学校にそれが合うかどうか検討することができます。
OS供給元とハード製造元が同じなので、安定した動作が期待できる
今回比較対象としている、「Windows機」「Android機」はそれぞれ、OSを作っている会社とタブレット本体を製造している会社が基本的には違います。(WindowsのSurfaceなどは除く)
そのため、先日のHuaweiのように、突然Google Playの使用ができなくなったり、OSのアップデートがサポートされなかったりする可能性があります。
その分、iPadはApple社がOS、ハード共に作っているので、突然のサポート終了ということは考えづらいです。今年サポートが終了した、Windows 7のように長年使用し続けていると流石にサポート終了してOSアップデートもなくなってしまいますけどね。
教育向けアプリが多い
これも大きな利点です。まず初めに話題に上がるのがおそらく「ロイロノート・スクール」だと思います。
こちらのアプリは、写真やスクリーンショット、手描きのカードなどを繋げて、プレゼンテーションを行ったり、ディスカッションをしたりすることができます。
その中でも、シンキングツールの利用が容易にでき、これにより子どもたちの考えもよりまとまりやすくなります。
これについてはまた後日詳しく記事にしようと思います。
もちろん、Android、Windowsでも提供されていますが、使用してみた感じ、シンキングツールに対応していない、エラーによる強制終了が起きやすいなどの欠点があります。
他にも、日本インフォメーション株式会社様が作成されている、ACシリーズ(アシストクラス)などもとても有用です。
他に学校に役に立つアプリの紹介を↓の記事で行っているので、合わせて見ていただけると幸いです。
Apple pencilが使える
これが何よりも最大の利点だとおもいます。
初めてApple Pencilを使ったときにはその精度の高さに感動をしました。
私も学校でiPadを活用していますが、メモは全てこれで完結しますし、授業の記録もこれがあるととても捗ります。
子どもたち1人1台iPadがあったら、私だったら子どもたちのノートを電子化したいなと思っています。
デメリット
画面の比が4:3
価格が少々高め
画面の比が4:3
最近のタブレットやパソコン、テレビなども液晶画面の主流は16:9のワイド画面です。ですが、iPadは4:3のブラウン管などの頃と同じ正方形に近い比になっています。
あまり気にならない人が多いと思いますが、人によっては気になるかもしれません。
価格が少々高め
今一番安いiPadを教育機関で買っても32800円します。
しかし、これだとストレージが32GBしかありません。そのため、クラウドサービスを使うことがほぼ前提になってしまいます。
128GBになると、42800円になってしまいます。
また前述した、Apple Pencilも買おうとすると、さらに9800円かかります。
こちらは、互換機があるので、それを利用すると3000円ほどで買うことができますので、そちらを検討してもよいかもしれません。
比較タブレット機種② Windowsタブレット
Windowsタブレットは多くはないですが、選択肢がいくつかあります。
その中でも一番はやはり「Surface」でしょう。しかしこれはべらぼうに高いです・・・
もし学校現場で使うのであれば、Lenovoから出ているIdeapadなどでしょうか。それではメリットとデメリットをまとめていきます。
メリット
- Windows10がそのまま入っているので、これまでパソコンを使っている人であれば、これまでと同じように使える。
- Officeが使いやすい
- これまで作成している教材がそのまま使える
Windows10がそのまま入っているので、これまでパソコンを使っている人であれば、これまでと同じように使える。
おそらく学校の現場でもプリントなどはパソコンで作ることが多いのではないかと思います。使用しているパソコンはWindowsが多いと思います。
Windowsのパソコンは日常的に使用している人も多いと思います。そのため、教員がまず使い始めたときに、使い慣れている人が多いというのは大きな利点だと思います。
Officeが使いやすい
OfficeもWindowsもどっちもMicrosoftが作っています。そのため、Officeを使用するのであれば、Windowsタブレットはとても使いやすいです。
例えばPowerpointを使って自己紹介を作ったり、Wordを使って壁新聞を作ったり、Excelでグラフを作ったり・・・
iPad、Android用のOfficeも存在するのですが、やはりWindowsで使うのが一番使いやすいと感じます。
これまで作成している教材がそのままつかえる
私は教材のほぼ全てをWordで作成しています。そのため、子どもたちのタブレットがWindowsだったらそれをそのまま使うことができます。
とはいえ、pdf化してしまうなど、iPadであっても対応する方法はあるので、大きな利点とはいえないかもしれません。
デメリット
- 導入コストがとにかく高い
- タブレットとしては、使い勝手があまり良くない
- 教育向けアプリが少なめ
導入コストがとにかく高い
もともとパソコン用のOSですから、導入費用は高いです。おそらくWindowsを搭載しているというだけで、価格がかなり高くなります。例えば先程挙げたSurfaceは100000円近くですし、少し価格を抑えられるIdeapadでも45000円です。それでいて性能はiPadのほうが上です。
安いものもありますが、それを買うと、安物買いの銭失いにつながりかねないので、あまりお勧めできません。
タブレットとしては、使い勝手があまり良くない
これがなかなか致命的です・・・
私は小学生の頃からWin95を使っているほどMicrosoftラバーです。今もパソコン=Windowsです。ですが、タブレットとなると話は別です。
Win8の頃から、タブレット端末が流行り始め、インターフェースをタブレット向けにしましたが、そのせいで、パソコンとしては使いづらくなってしまいました。
Win10では、タブレットモードを搭載したので、それは解消しましたが、このタブレットモードが使いづらい・・・
フォルダ構造とかがあるのがWindowsの利点だと思うのですが、そこら辺もわかりづらく、また、一つの画面に一つのプログラムしか出せなくなるので、マルチタスキングもし辛くなります。
ですので、Win機をタブレットとして使うのは正直お勧めできません。
教育向けアプリが少ない
もちろんないわけではないですが、「使いたいな!」と思うものがあまりありません。そのため、私が使っていた時は汎用的に使えるOfficeなどをうまく活用していくような形になりました。
比較機種③ Chrome book(Android)機
私のスマートフォンはAndroidです。iPhoneより、やりたいなと思うことが実現できることが多いためです。特に、ウィジェットの機能は私にとっては欠かせないものとなっています。さて、それでは教育現場的にはどうでしょうか。
また、GIGAスクール構想対応のChrome bookのレビューを下記にしましたので、合わせて見ていただければ幸いです。
メリット
- 安い
- タブレットの選択肢が多く、自分の現場に合わせたものを導入可能
- 無料で有用なアプリが多い
安い
もうAndroid最大の魅了でしょう。
例えばHuaweiのMediapadなどがあげられます。
こちらは25000円ほどで導入可能です。少々ストレージが小さいかとも思いますが、タブレット本体がこの価格で導入ができるのは大変魅力的です。
タブレットの選択肢が多く、自分の現場に合わせたものを導入可能
これも大きな魅力です。家電量販店に行くとAndroidを搭載しているタブレットはそれこそたくさんあります。
大きなサイズのものから小さなものまで、頑丈なものからそうでないものまで・・・
その現場に合わせて選ぶことができます。
無料で有用なアプリが多い
これは、体感なのでもしかしたらそうではないかもしれません。
iPadでアプリを入れる際にはApp storeを使用しますが、有用なアプリは有料のものが多いです。それに対してAndroidはアプリの数がまずとにかく多いのに加えて有用なアプリも無料で提供しているものが多かった印象です。
デメリット
OSのアップデートが行われるかはメーカー次第
AndroidでできることはiPadでも大半はできる
有用なアプリはiPadのほうが多い
OSのアップデートが行われるかはメーカー次第
これが一番大きな問題ではないかと思います。Android搭載スマートフォンにも言えることですが、OSのアップデートが出た際に、それに対応してくれるかどうかはメーカーがそれに対応したアップデートを出してくれるか次第です。
そのため、場合によっては新しいものでもアップデートがなされない可能性もなくはありません。
また、アップデートによる不具合が起こる可能性も0ではありません。
AndroidでできることはiPadでも大半はできる
例えば、ロイロノートはiPad用のアプリもあれば、Android用のアプリもあります。
ただ、前述したようにシンキングツールを使うアップデートは今の所iPad用アプリにしか提供されていません。
他にも、教育用のアプリは両方に対応しているものもあれば、iPadにしか対応していないものも少なくありません。これが後述する内容になります。
有用なアプリはiPadのほうが多い
例えばiPadで書いたACシリーズも現状はiPadアプリでしか提供がされていません。
もっとよく探せばAndroidのみで提供されているものがあったり、Androidならではのアプリがあるのかもしれませんが、現状は見つけることができませんでした。
そのため、即活用していくのであれば、iPadのほうが有用といえるかもしれません。
早見表
iPad | Windows | Android | |
価格 | △ | ☓ | ◎ |
性能 | ◎ | ◎ | △ |
アプリの充実 | ◎ | △ | ○ |
使い勝手 | ○ | △ | ○ |
周辺機器 | ◎ | ○ | ○ |
KEI-TSUZUが選ぶ、学校で導入すべきタブレット学習機
以上を踏まえまして、私が学校で使用するのであれば、やはり「iPad」を選択します。
その理由は以下の通りです。
- Apple pencilを利用して、ノートの電子化などが容易にできる
- アプリが充実している、授業支援システムも豊富(ロイロノートやACシリーズ)
- 価格も、エントリーモデルなら抑えられる。
以上のことから、私だったらiPadを導入していきたいと思います。
タブレット学習機、何を導入するか決まりましたか?
いかがだったでしょうか。今回は、私が使用したタブレット端末から教員という立場から見た導入すべきタブレットについて記事にしていきました。
以上は、あくまで「私だったらこうする」というものです。一つの参考になったら幸いです。
また、次回は、「自分だったらこういう形でタブレットを導入していく」ということを記事にしたいと思います。またお付き合いいただけたら幸いです。
それでは 本日の記事はここまでです。 それではいつものように、今回の記事が参考になったと思われた方、応援してくれる方は、励みになりますので、もしよろしければfacebookやtwitterでのリンクのシェアをお願いします。
コメント
[…] […]
[…] 【徹底比較】学校で導入すべきタブレット機種、iPad VS Windows機 VS Android機 […]
[…] […]
[…] 【徹底比較】学校で導入すべきタブレット機種、iPad VS Windows機 VS Android機 […]
[…] […]