今日の授業について
今日は、繰り上がりのあるたし算についての授業です。以前に記事を書いた、10進数の考え方も関わりがある分野です。10進数について話をした授業は下記にありますので、読んでいただければ幸いです。
また、今回の記事を書くのに、大野桂先生の「すべての子どもの学力に応じるビルドアップ型算数授業」を参考にしました。様々な授業実践が乗っているだけでなく、どうしてそういった実践を行っていったのかなどの細かい狙いなども書かれており、大変参考になりますので、算数教育を行う方であればぜひ一度手にとって読んでいただきたいなと思います。
本日の授業 1年生算数「たしざん~くりあがりのあるたし算~」
授業のポイント
- 答えが10を超えるたし算の場合、10のまとまりを作ると、答えがわかりやすいことに気づかせる。
- 繰り上がりがある計算を正確に行うことができる
導入
先程記載した参考文献「 すべての子どもの学力に応じるビルドアップ型算数授業 」にはこういった記載があります。
授業の中で「それじゃあ考えてみよう!」と伝え、自己解決のあと、様々な意見を出させても、最終的に、「良い意見だね!」と教員が言うのは、「教員にとって都合のいい意見」というときもあります。そして、最終的に、取り上げた意見は教師の主体性になってしまっているということです。
そのため、この授業では、10を作る場面と、作らない場面の2つを実際に体感して、その上で計算しやすい方法(10を作って計算する)というめあてに近づくというものです。
それでは今回の授業に入りましょう。
はじめにたまごパックの中にはいっているたまごを下記のようにしてみせました。
さて、みんな左の卵パックと、右の卵パックを両方合わせたとき、どっちのほうが合わせた卵の数は出しやすいかな?
えー、下のほうが出しやすいです!
僕も下のほうが出しやすいです!
下のほうが出しやすいって言っている人が多いね、でもどうしてそう感じるのかな?
だって、下の方は10と8だから、18ってすぐわかるもん!
それじゃあ、上の問題と、下の問題はどこが違うの?
下の問題は、10があるけど、上の問題には10がないからです!
そうなんだ、ということは10があるからわかりやすいってことかな?
そうです!そう思います!
10が計算をしやすいという意識付けができたところで次の段階に進みました。
展開
それじゃあ、上の方の計算は、下の計算に比べてやりづらいということだけど、どうにか、やりやすい親切な形に問題を変えることができないかな?
できます!さっきと同じで10を作れば良いんです!
え、10を作ることができるの?やってみてよ。
すると、とある子が前に出てきて、卵を入れ替えてきました。
右のパックに入っていた卵を1つ左に移せば右のパックは減るけど、左のパックは10になるよ!
これで、どう変わったのかうまく説明できる人はいるかな?
はい!これで、左が10個になって、右が6個になったから、
さっきのものが、「10+6」と言い直すことができるようになりました。
さっきの問題は「9+7」という問題だったよね。
それが「10+6」と置き換えることができたわけなんだけど、さっきのものと比べてどう?わかりやすくなったかな?
こっちのほうがすぐに計算がだせます!わかりやすくなりました!
そうだね、10を作ることで、計算がしやすくなるということがわかったね。これからの問題の中でも、10を作って計算できるときには、10を作ってみるとよいよね。
こうして、10を作る方法と、10を作って計算することの有用性を伝えていくことができました。
終わりに
今回は、大野桂先生の授業を元にして、授業展開を行っていきました。
もとは同僚に繰り上がりのたし算をどのように指導していこうと困って相談をしたら、こちらの書籍を紹介してもらうことができ、読んでみると、とても参考に成ることばかり書いてありました。
冒頭にも書きましたが、算数の授業を作る上でのヒントが実践とともに書かれているので、とてもわかり易く、イメージも付きやすいです。是非この本を一度手にとって見ていただけたら幸いです。
それでは 本日の記事はここまでです。 それではいつものように、今回の記事が参考になったと思われた方、応援してくれる方は、励みになりますので、facebookやtwitterでのリンクのシェアをお願いします。
また、関連記事などもありますので見てもらえると大変嬉しいです。それではここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。
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