今日の話
私の学校では11月の末にマラソン大会があります。今年は1年生を担当したのですが、1年生の走る距離は1kmです。そんなに長い距離ではありませんが、子どもたちにとっては初めての長距離走で、少々大変そうな様子でした。
走りきった全員に「完走証」といって自分のタイムが書かれている賞状のようなものを渡し、また上位8人にはメダルと完走証とは別に順位の入った賞状が渡されます。
今日はそんな完走証を渡すときの話です。
話のポイント
高順位や、賞を取ることは確かに素晴らしいことであるし、価値のあることではあるけれど、今回の取り組んだ価値はたとえ賞を取れなかったとしても取り組んだこと自体に価値があるということ。
話の流れ
さて、みんな先日のマラソン大会頑張っていたよね。今日はそのみんなのタイムの集計がおわったから、「完走証」というものを渡すよ。
やったー!
すごく疲れたな~、マラソン大会
そうだね、みんなよく頑張っていたと思うよ。
さて、この完走証には、それぞれみんなのタイムが書かれているよ。
そして、上位8位に入った人には別に賞状を渡すよ。
あー、僕は入れなかったからないんだ~
そうだね。この賞状を貰う人は、それは価値があることだと思うよ。
ただ、今回のマラソン大会での本当の価値って実はこれじゃないと先生は思うよ。
え~、どういうことですか?
それじゃあ逆に聞くけれど、この賞状をもらえなかったら、今回のマラソン大会に取り組んだ意味や価値はなかったってことなのかな?
え!?いや、そんなことはないです。
そうだよね。先生もそう思うよ。じゃあ、今回のマラソン大会で君たちが学んだことってどんなことだったのかな?
「一人で頑張ること」を学びました。
「最後までやりきること」を学びました。
人それぞれ、学んだことは違うけれど、これに取り組むことで色々な学びがあったよね。
そしてそれはどうしていくことが大切なのか、これまで話してきたからきっとわかるよね?
はい!生活に活かしていくことです!
そうだよ。今回目には見えないけれど、マラソン大会をしたことで、「最後まで頑張ろう」という気持ちが、マラソン以外のところでもできるようになっていたら、この「賞状」に負けないだけの素晴らしい賞状を心の中にもらえたことと同じことだと思うよ。
そしてその賞状は、今の君たちに役に立つだけでなくて、大人になってもずっと役に立つものなんだよ。そう考えてみると、みんなはどうかな?生活に活かすことはできているかな?
う~ん・・・・そう言われるとまだまだだと思います。
私はできるようになったと思います。
うん、こういうところで、マラソン大会のことを振り返ることができたね。まだまだだと思うと答えたのであれば、これからもう一度その学んだことを頑張っていければ、とても価値のあるマラソン大会にできたと言えると思うよ。
これからも頑張っていこうね。
終わりに
今回は大会という形で取り組む以上、「賞」というものがありますが、そこだけに価値を見出してほしくないなと思い、話をしました。
確かによい成績を残すことで得られる、「賞」は価値のあるものだと思いますが、それだけでなく、取り組む過程で学んだこともその「賞」と同じぐらい素晴らしい価値があるものに気づいてほしいなと思います。
やはり子どもですので、「賞」はとても魅力的なものだと思いますが、それを取ることだけに価値を見出してしまうと、今後につながる力にはならないと思いこういった話をしました。
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