2年生ではじめに学習する物語である「ふきのとう」です。
新学年が始まって間もない頃に学習する単元だからこそ、大切なことは
「国語の授業は楽しい!」「学ぶとは楽しい!」
ということにつながるように授業を行うことだと思います。
今回の単元である「ふきのとう」の指導のポイントは特に「音読」です。
「音読」は人によって得手・不得手が大きくわかれるのではないかと思います。
特に、新学年が始まったばかりで緊張している子が多く、その中で「自分の声を出して文章を読む」ということに躊躇してしまう子が多いのではないかと思います。
そのため、「間違えても大丈夫」「一緒にいる人は仲間たち」という意識をつけることができれば、これから1年間のクラス運営に大きなプラスにつなげるのではないかと思います。
そのために、音読を始める前には
もし自分が間違ってしまったらどんな声掛けをして欲しい?
という声かけをして、「励ましの言葉」や「言われて嬉しい言葉」を共有しておきます。
そして、実際に音読をして、読み間違えたり、つっかえてしまったときに、
だいじょうぶだよ
ゆっくりよんでみよう!
などの「励ます言葉」が出てきたときにそこをすかさず
AさんやBさんの声掛け、すごく素敵じゃなかった?
言われた方はどうだった?
というフィードバックをします。
これにより、あたたかい雰囲気がうまれ、子どもたちが積極的になり、間違えても大丈夫という意識がうまれてきます。
さて、それでは本題に入りましょう。
2年生 国語 「ふきのとう」授業の狙い
「ふきのとう」の目標は下記のとおりだと思います。
場面の様子や登場人物の行動など、内容を捉えて音読をする。
言葉のまとまりや響きに気をつけて、読み方を工夫する。
そのため、「登場人物」がどんな性格なのか、どういった立場なのかということを、文章内の言葉から想像し、それぞれのキャラクターについての理解を深め、最後に音読劇などを行うことで、それぞれの子が登場人物をその子なりに捉えて、演じることができるのではないかと思います。
授業計画
【授業計画】
1時間目 教員の範読・初発の感想
2時間目 登場人物を捉える。学習課題の設定「音読劇をする」
3~7時間目 場面ごとに登場人物の行動や場面の様子を捉える。
8時間目 小グループに分かれて、役を決めて音読練習をする。
9時間目 グループごとの音読を聞き合い、読み方の工夫や違いについて意見交換をする。
合計9時間程度
授業のポイント
1~2時間目
はじめは、教師が範読をし、内容の大体を把握します。その上で、どんなお話なのか、子どもたちと感想を共有します。
それぞれの登場人物の様子が生き生きと描かれているので、「面白いな」と感じたところを子どもたちに聞くと、「登場人物」への注目がしやすくなるのではないかと思います。
2時間目では、さらに「登場人物」に注目していきましょう。
それぞれのセリフや話し方(例:ささやきました、「すまない」、ざんねんそうです)などに注目し、それぞれの登場人物がどんなキャラクターなのか、子どもたちの想像を深めることが大切です。
3~7時間目
今度はそれぞれの場面ごとに、どんな様子なのかを詳しく捉えていきましょう。
第一場面
「よがあけました」 → 夜が明けたばかりでしんと静まり返って寒い様子
「ささやいています」→ 朝の静かな時間帯だから、小声でささやいている
上記のような様子を、場面を表す言葉を取り上げて想像していきましょう。
その際に、実際にセリフを何人かに読んでもらうことで、更にイメージが湧いていきます。
第二場面
「ふんばっている」 → 力をこめて雪をどかそうと頑張っている
「よいしょ」の繰り返し → 一生懸命に取り組んでいることがわかる
実際に「ふんばってみて!」と言い、子どもたちにやらせてみる。そこで、一生懸命な表情の子などに注目し、
ふきのとうの頑張りはCくんみたいな様子かな?
などと価値づけていくと良いと思います。
第三・四場面
「ごめんね」 → 雪のセリフ、謝るセリフ
「すまない」 → 竹やぶのセリフ、雪のセリフと対比させると面白い
「竹やぶ」と「雪」の立場は似ています。
二人とも、はるかぜが来ないと、自分のやりたいことができず、ふきのとうが顔をだすことができません。
二人揃って、はるかぜが来ることを待ちわびているのです。
その中でも、「謝るセリフ」の違いは面白い点だと思います。
おそらく、雪は産まれたばかり、竹やぶは昔からずっといる存在として、同じ謝る言葉でも、竹やぶのほうが少し大人っぽい言葉遣いになっているのかと思います。
第五・六場面
お日さまとはるかぜの登場です。
お日さまのセリフに注目すると、竹やぶよりも更に大人っぽく、少し他の人よりも偉いような様子も見られます。まるで、親が駄々っ子な子どもを起こすようなそんな様子も感じられます。
その一方、寝坊をして起こされて「みんな。おまちどお。」といったちょっと気さくさがあるようなはるかぜの気持ちよさが、実際のはるかぜとリンクしているのではないのでしょうか。
そんな2人のキャラクターを捉えることが大切ではないかと思います。
第七・八場面
最後のシーンです。
はるかぜが吹き、それぞれが生き生きと動き出します。
誰がどの動きをしているのかということをそれぞれ捉えていくと良いかと思います。
また、このシーンを「絵」で書かせるということも良いのではないかと思います。
これにより
「登場人物の位置関係」「動き」
をどのように捉えているのか、子どもたちの考えを見ることができます。
8~9時間目
ここまで捉えたお話をもとに、実際に役に分かれて音読をしてみましょう。
グループは3~4名ぐらいで組むと良いかと思います。
登場人物1人に1役以上、そしてナレーションもうまく分担して読むことができます。
最後に、それぞれのグループごとに発表し聞きあうことで、人それぞれのちょっと違った登場人物の捉え方を子どもたちも感じることができます。
2年生 国語 「ふきのとう」授業指導案
新学年初めてやる物語文だからこそ、「物語を読むことは楽しい」という感覚を持てるようにしたいですよね。
音読をすることのハードルが高いと上記を達成することは難しくなってしまうと思います。
クラスみんなで、楽しく学んでいくという意識をつけていくことが大切だと思います。
「楽しく安心して学ぶ」ということがこの単元を通じて伝えられたらと思います。
コメント