算数授業実践 4年生「大きな数~なんで「一万億はないの?~」

4年生 算数授業
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今日の授業について

無事宿泊学習から帰ってきました。これで本格的に私も子どもたちも夏休みに入ります。

夏休みは研鑽の時間にできたらよいなと思っています。ということで、以前の授業の振り返りを今日も行おうと思います。今日は昨年の4月に実施した「大きな数」についての授業です。

昨日twitterでもつぶやいた、10進法の仕組みについてを更に発展して学ぶところです。

詳しくは、1年生の10より大きな数を参照してもらえると嬉しいです。

算数 4年生「大きな数~なんで1万億はないの?~」

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今日の授業のポイント

3年生までで学習する大きな数は「万の位(千万の位)」までです。万の位までの時点で「一万」~「千万」という「一」~「千」までの4つの位が繰り返し出てくることはわかっていますが、「億の位」と「兆の位」がでてきて、万、億、兆の3つを帰納的に考えることで4桁区切りについて気づくことができるようになります。そこを気づいてもらえるような授業を展開しました。

ポイント

  1. 10進数の仕組みがわかる
  2. 4つ位が上がる(10000倍する)ごとに新しい位が登場することがわかる

授業計画のノート

今回は、板書の記録を取っていなかったため、自分の授業をする前にメモをしているノートの写真をアップします。ほぼメモ書きで、自分に読めればいいと思いながら書いているため、字が汚いですが・・・あまり気にしないでください(笑)

導入

前回までの授業で、億の位までは学習をしています。億の位を教える際には、「新しい知識」ですので、いわゆる教え込みの方式で伝えています。万の位までは学習済みで、新しい位の読み方なので「知らなければわからない知識」なので、考えさせることはしていません。考えさせる部分と、気づかせる部分の取捨選択はとてもむずかしいですよね。といっても、千万の次に一億が来るというのはほぼ全員すでに知っている知識でしたが・・・笑

はじめに、黒板に位を羅列して、子どもたちと声を合わせて位を読んでいきました。

みんなで一緒に位を読んでみよう!

せーの、一、十、百、千、一万、十万、・・・・、千億!

一、十、百、千、一万、十万、・・・・、千億、一兆、十兆

だいたい子どもは、すでに兆という位を知っている子も多いので、その先も言ってしまいます。そこでこんな質問をしました。

え!?千億の次は、一万億じゃないの!?

そんなの違うよ!一兆だよ!

え~、でもおかしくない。だって、「千」の次は「万」でしょ?

だったら、千億の次は「万億」になるでしょ!

青字の部分は、あえて「一万」「一万億」という言い方をしないで、「万」「万億」という言い方をしました。そのほうが、位が2つ続いているということに気づきやすいかなと思ったためです。

たしかに・・・でも千億の次は一兆だよ。先生がいっていることが変だよ!

それじゃあどこが変なのか一緒に考えてみようか!

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展開

それじゃあ、「千億」の次が「一兆」になるっていう根拠を見つけようよ。どうしてなのかな?ちょっと、みんなでどうすればその根拠を示すことができるか、話し合って考えてみてよ。

ここでグループワークをしました。気づきが早い子(算数的思考が身についている子)は、これまでの授業から「情報を集める」という「帰納的な考え方」、そして「これが言えたら先生を言い負かせる(笑)」という「演繹的な考え方」が身についている子がいるので、話し合わせると大体の班がこの意見に落ち着きます。

それに、直前にそれぞれの位を一緒に読んで、板書をしているので、それもヒントになりますね。

他の位がどんな風に位が変わっているのか見ると、今回のことも決まりが見つけられると思います!

よし、それじゃあ位をそれぞれ見てみようか、どうなっているかな?

この位を見て、なにか気づくことはあるかな?

2つの漢字を使っているものと1つの漢字だけで表されている位があります

一~千までの位が何回も登場しています!

そうだね、今回君たちが言いたいのは「千億」の次の位は「一兆」ということだよね。今気づいたことをもとに、先生の意見を退けることができるんじゃないかな?

ここでも、一度グループワークをいれました。気づける子は気付けるのですが、そうでない子はヒントがあれば気づけると思うので、私からヒントを出すのではなく、子どもたち同士で話し合わせてそのことに気づいてもらいました。

「千」が入っている位が出てくる次は「万」「億」という新しい位が登場しています!だから、「千億」の次もきっと新しい位の「兆」というものが出てきます!

いいところに目をつけたね!それじゃあもっと大きな数字に注目してみようか!

そういって、教科書のコラムを見せてみました。

東京書籍の教科書のコラムには、万~無量大数までのすべての位の呼び名が書いてあります。

一  いち
十  じゅう 10
百  ひゃく 100(10)
千  せん 1000(10)
万  まん 10000(10)
億  おく 10
兆  ちょう 1012
京  けい 1016
垓  がい 1020
じょ 1024
穣  じょう 1028
溝  こう 1032
澗  かん 1036
正  せい 1040
載  さい 1044
極  ごく 1048
恒河沙  こうがしゃ 1052
阿僧祇  あそうぎ 1056
那由他  なゆた 1060
不可思議  ふかしぎ 1064
無量大数    むりょうたいすう 1068

みんなよく気づくことができたね。実は位の呼び方は一~千が何回も登場していて、それが繰り返すことでもっともっと大きな数字を表すことができるんだよ。

ついでに、こんなこともしてみました。

そういえば、ここにも書いてある、「無量大数」って君たちも遊びで使っていることを聞くけど、実際にどれぐらいの数字か知ってる?

無量大数なんてかけるはずないじゃん、だって無限でかけないんだもん!

お、半分正解で、半分不正解のことを言うね!「無限」は数字で書くことはできないよ、これは高校生になって数学Ⅲで「極限」というものを勉強するときに学んでね。でもね、「無量大数」は君たちにも書くことができるんだ。それじゃあみんなで書いてみようか。

え~、そんなことできないよ。

いやいや、ここまでを学んだ君たちならわかるよ。まず、今勉強した「兆」の次は「京」だよね。これも「一京~千京」まであって、「千京」の次は「一該」になるんだよ。その調子で0を増やしていくと、無量大数はかけるんだよ。それじゃあ書いてみようか。

えーっと、10000000000000000000これで「千京」でしょ、これに0を4つつけると「千該」になってこれに4つ0をつけると・・・「じょ」ってやつになるのか。

うんうん、その調子!そのまま続けてご覧!

これで恒河沙・・・次で阿僧祇、那由多・・・

できた!!無量大数だ!!

かけた数字はこちらになります。

10000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000(0が68個並んでいます。)

よくできました!これが「一無量大数」という数字だよ。ちなみに、0をもう一つ加えると「十無量大数」になるよ。

無量大数にも、まだ一とか十とかあるんだ・・・知らなかった・・・

普段使っている言葉ではありましたが、きちんと仕組みをしって子どもたちも驚いていたようでした。ここからは余談になりますが、こんな質問もありました。

9999~99(9が72個並んでいる数字)を超えたらどうなるの?それが無限?

実はそういうわけでもないんだよ。それは1の横に0を72個並べた数字で表すことでできるから。ただ、日本ではその数字を言葉で表すことはできないよ。表す言葉がないからね。でも数字としては存在するんだよ。

そうだったんだ~。じゃあ結局無限ってなんなの?

それは、さっきも言ったけど高校生になってから学んでね(笑)

えー!!

これで授業は終わりました(笑)

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終わりに

今日は大きな数の仕組みについて学習をしました。今回担当した学年は、実は1年生のときにも担任をしたことがある学年でした。そのため、授業の合間に、「数字は10個集まると何かになるって話したよね?」ということを話しました。すぐに子どもたちは「キングスライムだ!!」と答えてくれました。そのため、その後に、大きな数になる仕組みも同じでね、今度は「一万」っていうスライムが「1万匹」集まることで、「一億」っていうキングスライムになるんだよ、という説明も加えました。それでしっくり来る子も多くいて、私としては1年生の頃の学習と結びつけることができたな~と一人嬉しくなっていました。

それでは 本日の記事はここまでです。

関連記事などもありますので見てもらえると大変嬉しいです。それではここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。

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