【ICT活用】小学校でZoomを使ってHR・授業を実施するまでにやったこと

ICT活用

皆さんの学校では、休校中の子どもへの学習支援はどのようなことを行っていますか。

私の学校では、「双方向のやり取り」という言葉をキーワードに、子どもたちになにかできないかということを模索しております。

そこで行ったことを時系列順に並べていくと

1.Youtubeの動画を学年スタッフで撮影&保護者限定公開で担任発表

2.旧学年の学校においてあるもの、新学年の教科書を宅配便で配送

3.動画撮影による授業(Youtube限定公開)&教材を作成して郵送

4.郵送物の中に返送封筒を入れておき、子どもたちに返送してもらう

5.返信封筒&郵送は時間もかかり、お金もかかるので、Zoomの利用、ロイロノートの利用を検討し始める。

6.保護者へアンケートをGoogle Formsを使って実施

7.教員向け、Zoom&ロイロノート研修会

8.保護者向けZoomテスト配信

9.ZoomHRを実施

以上のような流れでした。主に、ZoomでHRを実施できるようになるまでにしたことをこの記事ではまとめていきます。

ちなみに、学校の基本的な現状は下記の通りです。

私立のため、様々な地域に通っている子がいる

G suite for Educationを利用しており、保護者にメールアドレスを発行している

ただし、諸事情により、meetとClassroomは使用不可能

スポンサーリンク

YouTubeの限定公開で担任発表

私の学校は3月の頭から休校になりました。そのため、前年度の担当していたクラスも突然の終わりとなってしまいました。

その後、4月以降も休校が確定し、子どもたちとの双方向のやり取りをするためにどうすればいいか検討を重ねた結果、初めにやったのは

YouTubeの限定公開で動画を配信すること

でした。学校の人達の中には、動画撮影&編集に慣れていない人ばかりだったので、例えばYouTubeの授業動画を公開しているものや、NHKの動画などそういったものをみて、自分たちなりに動画のとり方を学習してから実施しました。

郵送&返信封筒で双方向のやり取りを実施

上記のYouTubeの動画で担任発表をすることがうまくできたことから、今度は動画授業を撮影して実施することになりました。

次に問題になったのは、教材をどのように子どもたちに届けるかという話でした。

PDFを添付して一斉にメールをしてもよかったのですが、そうすると子どもたちに印刷をしてもらわなければならない、プリンタがない家庭の場合コンビニなどで高いお金を払って印刷をしてもらわなければならないことになるので、結局学校で印刷したものを郵送することになりました。

ただ、郵送をすることで、3月に持って帰れなかった教科書類や、新学年の教科書等も同時に郵送ができたので、それはよかったと思います。

そして、1日2時間分、毎日日替わりで動画を撮影しました。

教科も偏りがないように、国語・算数・理科・社会だけでなく、音楽や家でできる体育プログラムなども用意して配信しました。

そして、やった課題や宿題などは、返信用封筒を同封しておき、やり終わったら学校に返送してもらうという形で対応をしていきました。

スポンサーリンク

ICTサービスの利用の検討(Zoom、ロイロノート・スクール)

郵送&返信封筒は、とにかくお金もかかり、時間もかかるため、ICTの利用を検討し始めました。

そこで話題になったのが「Zoom」「ロイロノート・スクール」でした。

すると、校長先生から

「まずはやってみて、その上でトラブルが出たらその都度対処しよう」

といっていただけて、上記2つの導入が決定しました。

ロイロノート・スクールは教員アカウントは無料で作れることから、以前から学校アカウントだけは作っていたことが功を奏しました。

皆さんも、ロイロノート・スクールの学校アカウントは作っておくことをおすすめします。

【ロイロノート・スクール】1人1台GIGAスクールに最適な授業支援クラウド
自ら考え、仲間と学ぶ  圧倒的なシンプルさで、新時代の授業アイディアを実現する授業支援クラウド

他にもいくつか検討をしたものを下記に載せます。

・Google hang outs meet → 機能面で、Zoomのほうが使いたい機能が多かった

・Cisco Webex → かなり優秀だったけれど、保護者利用がZoomのほうが上だった

保護者へアンケートをGoogle Formsを使って実施

次に、Zoomや動画授業をやる上で欠かせないことが、各家庭のインターネット環境でした。そのため、保護者にアンケートを取り、どの程度の家庭がインターネット環境が家庭にあるのかを調べました。

アンケートの集計にはGoogle Formを使用しました。

Google Forms: オンライン フォーム作成ツール | Google Workspace
Google Forms を使用して、さまざまな質問形式でオンライン フォームやアンケートを作成しましょう。どのデバイスでもリアルタイムで結果を分析できます。

Google Formに載せた質問は

・家での子どもの様子

・保護者のストレス等の感じ具合

・家庭でのインターネット環境

  1. 固定回線があるか、携帯回線のみか
  2. 使っている端末はなにか
  3. 子ども専用のものか、親のものを貸し出しているのか

子どもや保護者の家庭環境を知りつつ、インターネット環境を同時に聞いていく形をとりました。

アンケートの結果、ほぼすべての家庭に何かしらのインターネット環境があることがわかったので、Zoomを利用したHRを実施することが確定しました。

教員向け、Zoom&ロイロノートの研修会

ZoomでHRをするためには、教員全員にZoomを使えるようになってもらわなければいけません。

そこで次にしたことは

学年教員に1人、ICTの利用に長けている人にICT学年リーダーになってもらう。

ということでした。こうすることで、私一人が全員に教えなくても、5人に教えれば全教員に周知することができたからです。

なんとか管理職にも無理をいって、学年に一人ICT担当を作ってもらいました。

そして、その後教員全員にZoomのアカウントを作成してもらいました。これで全員がホストになることができるようになったので、ICT担当を中心に学年スタッフ全員で会議を開設→他の学年スタッフを招待、少し会話をして、次の人が会議を作って招待するということを全教員でやりました。

これで、教員側のZoomに対する心配はなくなりました。

また、トラブルがあった際には、学年スタッフで対応してもらい、その内容を私に伝えてもらい、Q&Aとして残しておき、もしトラブルがあったら、先にそのQ&Aを見てもらう環境もつくりました。

保護者向けテスト配信

Zoom HRを5月1日(金)に控えていたため、28日(火)と30日(木)に1時間半、会議を開設しっぱなしにして、その時間に接続テストをしてくださって構いませんよという時間をとりました。

今回は、

「URLで入室」「会議ID&パスワードも添付」「待合室はなし」

というセキュリティ的にはゆるゆるの状態でやりました。

ただし、設定はかなりガチガチに制限を入れて

「マイクミュート&ミュート解除禁止」「チャットオフ」「画面共有オフ」

という状態で実施しました。

まずは「正しく接続できる」という安心感を与えたかったためです。

結果的にはこれは大成功でした。

上記の状態でもやはりトラブルはあり、問い合わせはあったのですが、

その問い合わせ&教員向けに実施したテストの時に起きたエラーを元にQ&Aを作って2回目のテスト配信の前にそのQ&Aを保護者に配信しました。

すると、2回目のときにはほとんどの家庭が問題なく接続ができたのか、問い合わせはほとんど来ませんでした。

Zoom HR当日

やはりこれだけ準備をしても、エラーは起こるかもしれないと本当に直前まで教員と「設定の共有」、「配信URLの確認」などを行いました。

結果的に、一部細々としたエラーはありましたが、大きなトラブルもなく、ほぼすべての家庭がZoom HRに参加してくれていました。

子どもたちがとてもうれしそうに、新しいクラスメートと話をしている姿をみて、これをやってよかったと改めて思いました。

スポンサーリンク

今後の課題

とはいえまだ課題はおおくあります。考えなければならないことを箇条書きしておきます。

・Zoomのセキュリティ問題、Zoomボムなどにどう対応するか

・固定回線がない家庭に対する対応をどうするか

・兄弟が多い家庭の端末はどのように対応すればよいか

セキュリティ面に関しては保護者に少々お手間を取らせる形にはなりますが、下記のような方法を取ろうかと思っています。

一発で入れるURLの配信をやめて、ミーティングIDとパスワードを別々にメールに貼り付けて送付する。

待合室をONにして、名前の規則を決め、その規則外になっているものは許可しない

少し手間になってしまいますが、このような対応ができれば、少しセキュリティ面の不安を緩和できるのではないかなとおもっています。

Zoomを使ってHR・授業をする前に、様々なトラブルシューティングをしておこう!

今回、大きなトラブルがなくZoom HRができたのも、事前に様々なトラブルシューティングをして、各家庭にもサポート体制をきちんと整えたことだと思います。主に

・Q&Aを事前に作って、トラブルがあったときにはそれを見て対応してもらう

・事前にテスト配信をして、「問題なくできる」と安心感をもってもらう

この2点がうまくいったからできたものではないかと思います。

とはいえ、まだ検討しなければならない課題がたくさんあるので、それは今後対応を検討していきたいと思います。

それでは 本日の記事はここまでです。 それではいつものように、 今回の記事が参考になったと思われた方、応援してくれる方は、励みになりますので、facebookやtwitterでのリンクのシェアをお願いします。 また、関連記事などもありますので見てもらえると大変嬉しいです。それではここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。

コメント

  1. 白井 より:

    KEI-TSUZU先生

    多方面に渡る,読みやすくわかりやすい説明やアイデア提起をどうもありがとうございます。
    このような情報を共有いただきありがたい限りです。
    大変に参考になります。

    ZOOMのトラブル回避の基本的なQ&Aも公開いただけると、閲覧している皆さんはとても助かると思います。
    可能であれば、ご検討いただければありたいです。

    よろしくお願いいたします。

    • KEI-TSUZU より:

      ご意見ありがとうございます。
      ご返信が遅くなり申し訳ございません。
      当校で出したQ&Aを今度編集しアップしたいと思います。
      どうぞよろしくお願いいたします。