今日は問題文から様子を想像して、図を使って表すという授業を行いました。
「図を使って考えよう」は1年生の算数で初めて、図を使って物事を抽象的に表す単元になります。そのため、まずは具体的事象を「図」ではなく、自分たちの思う表現で書き、それを段々と抽象化していき、最終的に◯を使った図を使うことで「簡単」で「わかりやすく」書くことができるということを指導していきました。
今回はこの抽象化をしていくことの楽しさを知ってもらえるような授業ができたら良いなと思い授業を行いました。
授業をする際に、「ロイロノート・スクール」のアプリケーションを大いに活用させていただきました。
残念ながら、私の学校には子どもが使えるタブレットはないので、教員が使っているタブレットを前に表示させて、子どもたちの意見を私がまとめて書いたり、カードを移動させたりするだけです。子どもたちのタブレットがあれば、これを子どもたち主体で話し合わせることもできるので、環境が整えばそういった授業もやってみたいなぁと思っています。
算数授業実践 1年生 「図を使って考えよう~わかりやすい図ってどんな図?~」
授業実践のポイント
- 文章から様子を想像して、自分なりにわかりやすい表現で、絵や図などを書いてみる。
- 周りの人の表現をみて、どのように表せば簡単になるのか、考えることができる。
- 図で表す良さを知ることができる。
授業の導入
さて、今日は、先生がこれからお話を書くから、その様子をこのお話を聞いたことがない人が、どんなお話か、ぱっと分かるように、ノートにそのお話をまとめて書いてみてください。
そういって、黒板にお話を書いていきました。
さて、さっき話したように、この様子をこの話を知らない人が見たときに、ぱっと分かるようにノートに書いてみよう。
そのときに、「絵」を使って書いてみてもいいし「言葉」を使って書いてもいいし、どんな書き方でもいいよ!
ただ、書き始める前にみんなに少しヒントを伝えるね。
①ひと目でわかる
②かんたんに書くことができる
③わかりやすい
この3つが揃っていると、初めて見る人はすごくわかりやすいと思うよ。
それじゃあ書いてみよう!
ここで時間を5分取りました。それぞれ工夫を凝らして、話を表そうとしていました。
授業の展開
-5分後-
さて、みんなかけたかな?
ばっちりです!
私は書き終わらなかった!もう少し時間がほしいです!
終わった人もいれば、終わらなかった人もいるね。もしかしたら、書き終わらなかった人は、他の人のものを見てみると、早く書き終わるポイントがわかるかもしれないね。
それじゃあ、これから3分ぐらい時間を取るから、他の人が書いたものを見に行ってみよう!そのときに
①ひと目でわかる
②簡単にかける
③わかりやすい
という3つのポイントがよくできているなと思う人のものをちょっと覚えておいてください。時間が来たらみんなに聞いてみるからね!
またここでも3分間時間を取り、他の人の書いたものを見に行ってもらいました。
時間が来たけれど、自分の参考になりそうな書き方をしてくれている人はいたかな?
はい!自分のやつを書き直したくなったのですけれどいいですか?
もちろんいいよ!ただ、どう変わったのかその変化をみたいから、書き直す前のものは残しておいてもらえると嬉しいな!
それじゃあ、友だちのもので、①の「ひと目でわかる」というポイントでいいなと思ったものを教えてください!
Yくんのものがよいと思いました!
僕もそう思いました!
そっか!それじゃあYくんのノートを見てみようか!
さて、これがいいなと思った人が何人もいるみたいだけど、どんなところが良いと思ったのかな?
こうたくんのところに、矢印がついているから、ここがこうたくんだってすぐにわかります!
僕は、□の中に数字があるから、何番目にいるのかひと目で分かると思いました。
一列に並んでいると、見やすくてわかりやすいです。
色々な意見がでてきたね。それじゃあ他の人のもので、ひと目でわかるいいなと思うものは誰のものだったかな?
Mさんのものもいいと思いました!
Mさんのはどんなところが・・・?
こうたくんにだけ顔があるから、こうたくんがどこにいるのかわかります。
さっきのYくんは矢印だけだったけれど、こうたくんと書いてあるからわかりやすいです。
周りのものも書いてあるからわかりやすいです。
それぞれ、誰のものがよかったのか、そしてどういったところが良かったのかということを聞いて、それを黒板に書き残しておきました。
そして、ロイロノート・スクールのシンキングツールを使用して、グループわけしてその子達が書いたノートを置いていきました。
さて、次は②の簡単にについて考えてみようか、どうかな?
Mさんのものが簡単に書けるなと思いました!
僕もそう思いました!
そっか!それじゃあどこが簡単だと思ったのかな?
そうきくと、「簡単に書ける」と考えている人は多かったのですが、「なぜ簡単に書けるのか」が自分自身でもわかっていない人がたくさんいました。
そのため質問を変えてみました。
それじゃあ、「簡単」の理由がわからないのであれば逆に「難しい」ものを見てみようか!
難しいものを書いている人はだれかいたかな?
Nくんだと思います!
さて、それじゃあどんなところが難しいと言えるかな?
迷路みたいです・・・
たくさんかいてあるとわかりにくくなってしまいます。
必要ない情報がたくさん書いてあると思います。
そっか!それが「難しい」のポイントなんだね。それじゃあもう一回戻って考えてみようか、「簡単」なのはどういったところかな!
わかった!「いらない情報がない」ところだ!!
そうだね、Mさんのは確かにいらない情報がないように感じるね!
それじゃあ最後に、「わかりやすい」のは誰のがそう感じた?
Aくんのものです。
どんなところがわかりやすかったのかな?
「前から」とか、「後ろから」とか書いてあるからです!
確かに、これまでのものにはそれは書いてなかったね。確かに書いてあるとわかりやすいよね。
授業のまとめ
さて、みんな、「わかりやすい」「簡単」「ひと目でわかる」という3つのポイントに注目して見ていったけれど、実はこんなふうに、ある状況をなるべく簡単でわかりやすく表し直したものを「図」というふうにいうんだ。
「図」は考えるときの手助けをするものだから、「わかりやすく」書けるのがとても大切なんだ。
それじゃあ最後に、ここまでみんなが「わかりやすい」「簡単」「ひと目でわかる」というポイントを知ることができたからもう一度、自分なりにもう一度書いてみよう!
こうして、もう一度同じ状況で図を書かせました。
すると、やはり先程までとはうってかわって簡潔にわかりやすくより抽象化された図をみんな書いていました。最後にそれを共有しました。
最後はYチャートを使って、みんなが書いた図がどこに当てはまるか考えていきました。
2つ以上当てはまるものは境界線のところに乗せるようにしました。
最後に真ん中にあるものが子どもたちの中では一番抽象化されたものとしていいなと感じたようです。
「図を使って考えよう」では、シンキングツールを使って、わかりやすい図をみんなで分類分けしていこう
今日は、具体的なものをどんどん抽象化していく過程を楽しんでほしいなと思い授業をしていきました。
単純に図の書き方を教えるのは簡単ですが、それだと与えられたものをひたすら待つだけになってしまいます。
そのため、みんなの意見を出して共有しながら、よりよいものにしていくためにはどう考えて行けばいいのかということをポイントに授業を進めていきました。
その過程で、先日紹介を受けたシンキングツールも使用してみました。
子どもたちの考えを可視化することができるので、子どもたちも話の流れを捉えやすくなってより発言しやすくなったのではないかと思いました。
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